あれは、【大晦日の夜~元旦】にかけての時間でした。
僕が車をはしらせていると、ふと沿道で、手を挙げているおばあちゃんがいました。
―――こんな時間に?なんだろう???
ゆっくり車を止め、おばあちゃんに近寄っていくと、
「悪いけど、○○病院まで乗せていってくれないかね?」と。
○○病院は、そこから来るまで5分くらいのところです。
―――う~ん、なんでだろう???
「こんな時間に、病院に何の用なの?」そう尋ねると、
「病院から、呼び出されちゃって・・・」と、おばあちゃん。
僕は、勝手に、
――おじいさんでも、死にそうなのかな?なんて思ってました。
でも、少し話しを続けていると、なんだか、どうも、
「あれっ?」っと思うことがでてきました。
でも、会話の80%ぐらいは成立していて、
残りの20%ぐらいが、どうも、おかしな感じなんです。
「ウチの人は?(他の家族は?)」なんて質問をすると、
「今、家には帰れないんだ。
5~6人の知らない男が家に入ってきちゃったんだよ。」
もう、僕は、わけが分かりません

そして、その
、「わけの分からなさ」で、分かりました。 ――
あっ! このおばあちゃん、
認知症?これが、仕事モードで、高齢者に接しているときは、頭の中に、
認知症という言葉があるんですが、
プライベートの時って、完全に、抜けていまして・・・。しかし、
初めて会って、5分ぐらい話をしただけじゃ、分かりませんよ・・・。その後ですよ、どうしようかと思いましてね。
「家はどこなの?」なんて聞いても、
「いやいや、家には(知らない男の人がいて)帰れないから

」なんて言われちゃって・・・。
しょうがないから、警察呼びましたよ。
警察の人が到着して、真夜中の沿道で、一生懸命、
「おばあちゃん、家はどこなの?」
「名前は?」
「家族は?」
なんて、頑張っていましたけど、
もちろん、会話が100%成立することはなく・・・。
だから、電話で言ったじゃない
「認知症の人だと思うんですけど・・・。」
って。
申し訳ありませんが、僕は、すでに眠い時間だったため、そろ~っと、帰らせていただきました。
介護業界で働いていなかったら、きっと認知症なんて思いもせず、間違いなく、病院まで送っていってたと思います。